このページは、管理人が、ジャンルやスタイル、洋の東西を問わず、独断と偏見で選んだ素晴らしい新譜をご紹介するものです。  



Kitchen(溝口こうじとゆかり) “粒粒”
ミュージシャン 収録曲 データ
キッチン:
溝口 こうじ(ボーカル、ギター)
霜島 ゆかり(ボーカル、笛、パーカッション)

知久 寿焼(ジョーハープ、笛)
後藤 知子(フルート)
ヤギヌマ リョウ(大太鼓小太鼓)
山川 ノリヲ(ギター、エトセトラ)
1. 花が咲いた
2. 唄をうたいましょう

3. ジンクス

4. 木漏れ陽
5. コーヒー
6.
決心
7. 働き者
8. 川に落ちた子と年寄りと子供
9. さらば自転車
10. がんばれ
11. 同じ空
12. 辻音楽師の灯

13. あふれる言葉

プロデュース 山川 ノリヲ
マスタリング 小池 光夫
エグゼクティブ・プロデューサー 大蔵 博

ミディ・クリエーティブ CXCA-1095


全音楽ジャンル、アーチストの中で、今、最も僕に強いインパクトを与えてくれているのが、この【キッチン】(旧称:溝口こうじとゆかり)。 彼等については、既に、当HPの【純生音楽へのいざない】のページで何度か紹介させているので、詳しくはそちらを参照ください。 


いつもライブでは、旧称通り【こうじとゆかり】2人のアコースティック・デュオで聴かせてくれますが、このデビュー盤では、元【忌野清志郎23's】、現【ギターパンダ】の山川ノリヲさんのプロデュースで、曲によってドラムやキーボード、山川さんが演奏していると思われるエレクトリック・ギターも入っています。 因みに、元【たま】の知久さんも参加。 バンド風な演奏もあるとは言え、あくまでもアルバムのコアは【こうじとゆかり】のデュオで、2人の良さをひき立てる、心憎いまでに絶妙な山川さんのプロデュースは見事。 例えば、元々はトラッド・フォーク調である『働き者』という曲など、レゲエにアレンジされていて、これには思わず“やられた〜”という感じ。 この曲を、サクッとシングルカットすれば、今まで【キッチン】を知らなかった音楽ファンにも大いにアピールしそうです。


13曲全て溝口こうじさん作詞・作曲のオリジナル。 トホホな脱力感がありながら、抗し難い切なさ・・・『17時半になりました、早く帰りましょう』の校内放送を背中に聞いた時に感じた、あの切なさ(こういうの分かるかな?)・・・が底辺に流れる歌詞とメロディは、本当に素晴らしく、こうじさんのソングライターとしての才能には凄まじいものがあると思います。  特に5曲目の『コーヒー』は、長く歌い継がれて欲しい(スタンダードになっても良い)名曲ですし、又、ここでの、ゆかりさんの歌唱は、正にワン&オンリー・・・、まあ、タマラナイです。


【キッチン】の音楽を聴いてしまうと、世の中に溢れている“サル真似音楽”が本当にバカらしく感じられてきます。 是非、多くの音楽ファンに、彼等の音楽が持つ“人肌の温度”を感じとって貰いたいと思います。 




Norah Jones “Come away with me”
ミュージシャン 収録曲 データ
Norah Jones - vocals, piano
Lee Alexander - bass
Jesse Harris - guitar
Brian Blade - drums
Dan Reiser - drums
Kenny Wolleson - drums
Rob Burger - pump organ, accordian
Adam Levy - guitar
Kevin Breit - guitar
Bill Frisell - guitar
Adam Rogers - guitar
Tony Scherr - slide, acoustic guitar
Sam Yahel - organ
Jenny Scheinman - violin
1. Don't Know Why
2. Seven Years

3. Cold Cold Heartt

4. Feelin' the Same Way
5. Come Away with Me
6.
Shoot the Moon
7. Turn Me On
8. Lonestar
9. I've Got to See You Again
10. Painter Song
11. One Flight Down
12. Nightingale

13. The Long Day Is Over
14. The Nearness of You

Produced by Arif Mardin
Engineered by Jay Newland
Assistant Engineer: Dick Kondas
Mixed by Jay Newland & Arif Mardin

Recorded at Sorcerer Sound, New York City and Allaire Studios, Shokan, NY


既にポピュラー・チャートでも馬鹿売れしているノラ・ジョーンズのデビュー盤。 ということで、もはや説明不要かなぁ?(笑)  ニューヨーク・ジャズ界のクセモノ、オオモノがゲスト参加していますが、あくまでも自己のバンドでの演奏とオリジナル楽曲を中心に据えて活動(制作)している姿勢、そして、『素材の良さ』をそのまま出すことに成功している、アリフ・マーディンの『何もしていなさそうな』プロデュース・・・見事です。 

色分けすれば、【アコースティック・フォーク】と【ジャズ】が混ざったような音楽、と言えるのかもしれませんが、それよりも、なによりも、これは【アメリカ】の音楽ですね。 【アメリカ】に生まれ育ったノラ・ジョーンズ、【彼女自身】の音楽だと思います。  スタンダード・ジャズをやっても、恐らく相当にスンバラシイであろう彼女が、敢えて、そちらの方向に進まなかった、というのが、又、心憎いですねぇ。 

昨年、井上智さん(g)と共に、モニカ・ブランドという若手シンガーが来日しまして、僕はカブリツキでライブを聴かせて貰いましたが、も〜、バツグンに上手い“ジャズ”・シンガーでした。 しかし、彼女もデビュー盤では全曲オリジナルを唄っているんですね。  

今の時代、日本であろうと、アメリカであろうと、或る意味【ジャズ】という音楽は、遠い過去のモノになってしまっていると思います。 そういう意味で、今や、日本もアメリカも、本来は関係ない筈です。 しかし、アメリカには、このノラ・ジョーンズや、モニカ・ブランドのように、【ジャズ】をイタズラに崇拝して肉薄しよう、とするではなく、あくまでも【自分自身】の音楽を形成する一つの【要素】として捉え、そして大いにリスペクトしている人達が居る。 日本のシンガー・・・に限らずミュージシャンの多くは、まだまだ、なにか【ジャズ】とか【洋楽】とか、イタズラに有り難がって、そういった【ファントム】に囚われ過ぎるんじゃないでしょうかぁ?

僕がノラ・ジョーンズの音楽に大きな感動を覚えるのは、これは絶対に日本では出てこない音楽だからです。 この時代のアメリカで生まれ育った、ノラ・ジョーンズという人でないと出来ない音楽だと、感じさせるからです。  僕は、このCDを声に大にして絶賛するワケには、日本のミュージシャンや製作者達に、【今、ここでしか生まれない音楽】を作っていって欲しい、という切なる願いも含まれています。