にこにこコンサートVOL.7
日時・会場 出演者
2月27日(火)
吉祥寺・曼荼羅
月光楽団
溝口こうじとゆかり
ブルーボインズ
ハンバート・ハンバート



ハンバート・ハンバート 1st. CD
"for hundreds of children" (01年)


自分の『音楽遍歴』と言うか、どういった音楽を好んで、今まで聴いてきたのか、そのヒストリーを、何れはまとめる必要があるかな、とも思っているのですが、いずれにしても僕は子供の頃から、色んな音楽が好きで、好きで、沢山聴いてきました。 でも、ここ数年は、【JAZZ】一辺倒・・・。 年間100本以上(3日に1度以上のペースで)のジャズ・ライブに、夜な夜な出かけるような日々・・・。  ところが、そんな生活が、或る日を境に一変!  それは、2001年大晦日のこと・・・。 (詳しくは、こちらのライブ・レポートをご覧下さい)

この大晦日のイベントにおいて、僕は、エンケン(遠藤賢司)さんはじめ、遠藤ミチロウさんや三宅伸治さん等、キャリアある素晴らしいミュージシャンのパフォーマンスに、血沸き肉踊る思いを抱き、そして、何組かの(エンケンさん達に比べると)若いアーチストには【目から鱗】といった感覚になったんです。  特に、その中でも、男女デュオの『ハンバート・ハンバート』と『溝口こうじとゆかり』には大きなインパクトを受けました。  その2組が出演するイベントがあると知り、当夜は、吉祥寺、『曼荼羅』へ、と。  

当夜のイベントは、溝口こうじさんが主催する『にこにこコンサート』のVOL.7とのこと。 開演少し前に入店すると、既に満席で、立ち見の状態。  若い観客が中心ですが、中には出演者の御家族(?)と思しき方々も・・・。  トルコの石窟修道院をイメージしたという店内、そしてステージのデザインは中々の雰囲気。  当夜のトップ・バッターは、『月光楽団』。  バンドの構成は、ボーカル/セミアコギター、エレキ・ギター、エレキ・ベース、ドラム、キーボードという5人。  バンドの中心人物は、ボーカル/ギターの西山竜太朗さんで、すっ呆けたトッポイ(死語?)感じのキャラクターがナイスで、引き込まれます。  

後々知ったのですが、このバンドは、『チュールス』という3人組アコースティック・ユニットのうちの2名、ボーカルの西山さんとギターの上野俊一さんが中心になって結成されたそうです。 そういう背景もあってか、演奏された楽曲は、(エレキ)バンド・アレンジよりは、むしろアコースティック編成(あるいはソロ弾き語り)に似合う感じがしました。  例えて言うならば、エンケンと灘康次(モダンカンカン)をミックスさせたようとでも言えばよいか・・・(意味不明?)。  そんなことを考えていたら、なんと、ライブ半ばでエンケンの『寝図美よこれが太平洋だ』が飛び出し、うぉ〜、これは嬉しいサプライズ! やはり西山さんはエンケンをリスペクトしてるようですね。  まさに、【芋づる】のようにして、またまた素晴らしいミュージシャンを知る事が出来て、嬉しい限り。  4月以降、『チュールス』としての活動もあるようなので、又、ライブに来たいものです。

さあ、続いては、『溝口こうじとゆかり』の登場。  ギター/ボーカルの溝口こうじさんと、ボーカル/リコーダーのゆかりさんのデュオです。 この二人、なんとなく顔が似ているから、兄妹(姉弟?)と思っていたのですが、当日貰ったチラシによると、『こうじ兵庫県出身』、『ゆかり江戸川区出身』となっていて、深まる謎(?)。  まあ、別に、間柄が兄妹であろうと、姉弟であろうと、夫婦であろうと、父娘であっても、母息子であっても、音楽とは関係ないんで、どうでも良いんですけどね(笑)。

大晦日のライブでは、その“ヘナチョコ”な雰囲気に完全ノックアウトされたのですが、当夜は約40分間くらい、ジックリと聴かせて貰い、より一層、『溝口こうじとゆかり』のエモイワレヌ世界に魅了されてしまいました。  う〜ん、どう言葉で表現したら良いのか?  溝口こうじさんは、すっ呆けた、淡々としたキャラクターで笑わせてくれますが、いやいや、この人は、絶対に凄い才能の持ち主ですよ。  ギターのプレイも、(時よりミスタッチがありますが・・・)可也、深いものがあるように思います。  ゆかりさんのボーカルも、なんとなくCHAKAさんにも通じる『強さ』と『しなやかさ』と『緩さ』を兼ね備えていて、素晴らしいです。

脱力してしまうトホホもあり、無垢で純粋なワクワクもあり、そして、友達と遊んで楽しかった帰り道の夕暮れにフッと感じた、あの説明がつかない切なさもあり・・・。 『溝口こうじとゆかり』は、本当に凄いです。  僕は、大好きです。  ステージ上のMCで、近々にレコーディングする、との話しがあり、(もし、それがメジャー・デビューを意味するならば)やはり聴いている人は聴いているんだな、と思わせます。 しかし、メジャーな世界で、多くのリスナーから受け入れられるか否か、というのは、音楽の本質的な素晴らしさとは無関係な部分が多いので、今後の『溝口こうじとゆかり』の行き方には注目です。  因みに、『溝口こうじとゆかり』の二人は、毎週・水曜日&土曜日の22時頃から吉祥寺駅北口でストリート・ライブを行っているそうです。 

3組目は、『ブルーボインズ』。  ステージにメンバーが出てくるまで知らなかったのですが、実は、このユニットは、溝口こうじさんと、斉藤ひろゆきさんの二人組ギター弾き語りデュオ。  ここでの溝口さんは、リード・ギター担当で(やっぱり、なかなかに上手い!)、ボーカルは主に斉藤さんが担当。  その楽曲の世界は、『溝口こうじとゆかり』に一脈通じるものを感じますが、そこは男性デュオだけあって、男性的な無骨さもあります。  斉藤さんは、ちょっとワイルドな風貌ですが(失礼)、『凄く緊張している』と、ステージ上では落ち着かない様子。 そのシャイさが、楽曲に『男の愛すべき不器用さ』として反映されているようにも思えました。  失礼ながら、お世辞にも上手いとは言い難いボーカルですが、『俺は、歌いたいんだあ!』という気持ちがアリアリと感じ取れる、魅力的なボーカルです。  またまた、素晴らしいアーチストを知る事が出来て、とっても嬉しい! 

当夜のトリは、『ハンバート・ハンバート』。  『にこにこコンサート』への参加も、『曼荼羅』への出演も初めて、とのことで、今回はゲストとして迎えられたようです。  自分のユニットではなく、ゲストをトリに持ってくるあたり、溝口こうじさんの心憎い配慮でしょうか?  『ハンバート・ハンバート』は、佐藤良成さん(ギター/ボーカル)と、佐野遊穂さん(ボーカル)の男女デュオで、既に昨年、MIDIからCDデビューも果たしています。  大晦日同様、当夜もフルート奏者がサポートで参加していました。  ボーカルの佐野さんがインフルエンザ(?)で、歌うのが辛そうで可哀想でしたが、『儚さ』と『切なさ』が詰まった、その歌の世界は、とてもとても魅力的です。  そして、佐藤さんの、太く逞しいけれでも、しかし、同時に何処か儚げで、危なげな歌声には、グッと来てしまいます。  まるで、『嘆きの溜息』のようです。 

途中から、『にこにこコンサート』らしいスペシャルというべきか、ステージに『溝口こうじとゆかり』が加わり、『ハンバート・ハンバート』のレパートリーを歌います。  恐らく初共演なのでしょうが、とても良い感じで、特に『溝口こうじとゆかり』の二人は、他人のステージへのゲスト参加ながら、まるで自分達がいつもやっているレパートリーのように、サクッと歌い演奏していて、ん〜、やっぱり、凄いぞ、『溝口こうじとゆかり』。  

といったわけで、非常に充実した内容のイベントで、当夜は大満足でした。  実は、この日、昼間に、ちょっと腐りたくなる、面白くないことがあったのですが、このライブでスッカリ気持ち良くなりました。  やはり、音楽は最高に素敵なものです。