| 日時・会場 | 出演者 |
| 3月29日(金) 吉祥寺・赤いカラス |
仲宗根かほる(vo) 増根哲也(b)、野口久和(pf)、岡田朋之(ds) |
(写真は01年12月の同所でのライブから)
仲宗根かほるさんと増根さんのトリオの共演を聴かせて貰うのは、01年12月末に続き、これが2度目です。 仲宗根さんの詳しいプロフィールについては、彼女自身の手作りというホームページを参照下さい。 50年代のウェストコースト(LA)・スイングジャズを一途に追及し続ける、彼女の姿勢には、頭が下がる思いがします。 4月には、LAでビッグバンドと入れてきたという、メジャー第3弾となる新作『ダブー』を発表する予定とかで、そちらはスイングジャーナル誌の【ゴールドディスク】にも選定され、益々、仲宗根さんへの注目度がアップしているようです。
さて、この日は、3月末、つまり年度末ということで、【忘年度会】(?)がアチコチで行われていたであろう影響で、立ち上がりこそ、ソコソコの客の入りでしたが、セットが進むにつれ、ほぼ満席となりました。 増根さんを中心とした、野口さん、岡田さんのトリオと、仲宗根さんの相性も素晴らしく、前回(12月末)は野口さんが初参加だったこともあり、若干の緊張感も漂っていましたが、当夜は、とてもリラックスしたムードが流れます。 『お客様が少なめだったので、すごくマニアックな選曲をしてしまいました』と満席の観客を前に、オドケテみせるMCも舌好調。 確かに、まったく聴いたことがない曲(50年代の隠れ名曲)も何曲かあり、うぉ〜っ、ディープだあ、と思わされましたが、要は曲の良し悪し、そして、その表現の良し悪しが問題であって、有名・無名は関係ないんですよね。 知らなかった曲でも、こういった形で紹介して貰えると、なるほど、こういう世界があったのか、と気付くことが出来ます。 有名曲を、BGM的に垂れ流すのではなく、このように、一つの【音楽との出会いの場】としての【ライブ】を演出して貰えるのは嬉しいことです。 僕も、仲宗根さんの影響で、ベヴァリー・ケニーのアルバム、『ボーン・トゥ・ビー・ブルー』を買ってしまいました。
仲宗根さんのライブは、実は、97年の【阿佐ヶ谷ジャズストリート】でも聴かせて貰ったことがあり、その当時、彼女は、20歳代前半だった筈ですが、『ウーマンズ・インテュイション』を、えらく大人っぽく、シットリと、語りかけてくるように歌っていて、非常に印象に残ったものです。 あれから5年近く経って、印象としては、仲宗根さんの歌が、逆に良い意味で若々しく、溌剌としたものに変わってきているように思います。 12月に続き、当夜も名曲『ヴァニティ』を歌ってくれ、同曲をサラッと表現したベヴァリー・ケニーにも通じる質感だけでなく、仲宗根さんは、そこに、日本人にはグッとくる、『切なさ』という【情感】を込めているように思いました。 【コブシ】とまでは言いませんが、明らかに、仲宗根さんの歌唱には、【50年代のウェストコースト(LA)・スイングジャズ】には存在し得ない【情感(情念?)】が、独特の歌いまわしとして表出しています。 それが、単なる【物真似】や【再現】と一線画す、【仲宗根かほる】の歌唱を実現させているのでしょう。
又、忘れてはならないのが、いまや【仲宗根バンド】と言ってもいい、レギュラートリオのサポート。 幅広くて深い音楽性を持ったバンマス、増根さん。 基本的にはバッピシュでいながら、古い歌モノに精通した野口さんのピアノ。 そして、キメの細かいブラシが素晴らしい、岡田さんのドラム。 仲宗根さんの音楽が、【懐古趣味】に陥らない一つの要因は、このトリオの多彩なサポートであるようにも思います。