| 日時・会場 | 出演者 |
| 5月3日(金・祝) 井の頭公園 吉祥寺駅前特設ステージ |
歌姫楽団 永井ルイ マジカル・オレンジ 紅龍(上々颱風) 斉藤哲郎&ヨシンバ 高田渡&高田漣 ブラック・ボトム・ブラス・バンド |
フォークの仙人、高田 渡 氏
(ミチロウさんと同い年とは、世の中、摩訶不思議)
ここ最近、僕のライブ放浪の主戦場となっているのが、吉祥寺。 良い街です。 僕はとっても好きです。 その吉祥寺の街中でフリー・ライブや、音楽コンテストが行われる【吉祥寺音楽祭】。 以前から知ってはいましたが、なんとなく縁がなく、今年が初参戦です。 今回のお目当ては、なんと言っても、【フォーク界の仙人】(?)、高田渡さん。 3月のドキュメント映画『放送禁止歌』の特別上映に合わせたスペシャル・ライブで、なんとも言えないパフォーマンス(?)を披露してくれた高田さんに、僕はスッカリ惚れてしまったのです(笑)。
今年の【吉祥寺音楽祭】も、吉祥寺駅周辺を中心に、各所でストリート・ライブが展開されます。 スケジュールを調べたところ、(この話しばっかりで恐縮ですが・・・)あの大晦日のイベントに出演した、【歌姫楽団】と【永井ルイ】さんも登場するとのことで、高田御大が出演する夕方だけでなく、スタートから参加することにしました。 この日は、風は強かったですが、とても好い天気で、実に気持ち良い気分になります。 【歌姫楽団】は、井の頭公園の野外ステージに、2時から出演、とのことだったので、2時少し前に、公園に到着。 公園周辺のお店や、公園内の木陰には、子供を連れた大勢のニュー・ファミリー(って古い表現?)が黄金週間の昼下がりを楽しんでいます。 公園内では、アコースティック系の若者や、海外から流れてきた(?)大道芸人さん等もパフォーマンスしており、非常に楽しい雰囲気。 池の傍で、テルミンを演奏する若者2人の怪しげな動きに魅了されていると、ど〜こかで〜、だ〜れかが〜・・・??? な〜んか、僕の本名を呼んでいる人が居るようで・・・と思ったら、テルミンの向こうの池に浮かんだボートに、なんと、【Salon de totorom BBS】でお馴染みの、斉藤&えろ〜るご夫妻、そして、Mr.Bくんの3名さまが・・・。 多分、会えるのでは・・・、と思ってはいましたが、いきなりテルミンを挟んでの再会とは、いやはや、こりゃオツですなぁ(笑)。
さて、そうこうするうちに、2時を過ぎ、ソソクサと野外ステージ方面に戻ると、【歌姫楽団】が既に演奏を開始していました。 【歌姫楽団】は、歌姫(ボーカル)の樋口舞さんを中心にした6人組で、レトロだけど新しい、という歌謡ポップスを目指しているバンドです。 大晦日に観た時は、なんとなく大人しい感じがしたのですが、この日は野外、しかも好い天気ということが影響してか、とても迫力があるステージを見せてくれました。 いや、よくよく考えると、そういった天気とか会場云々の影響ではなく、この日のステージの溌剌とした感じは、今年に入ってからの【歌姫楽団】の活動の充実ぶりの賜物なのでしょう。 大晦日のライブでのボーカルの舞さんの印象は、透明感のある、爽やかな感じだったのですが、この日は、声に骨太なイメージが増して、非常に印象的でした。 又、『昼間に似合わない曲が多くて・・・(笑)』というMCもあった通り、ちょっと妖艶で怪しげな歌の世界も魅力的です。 舞さんのボーカルは、なんとなく部分的に日吉ミミのような感じがして、【昭和レトロチック歌謡】のイメージが醸し出され、良いと思います。 バンドの演奏も整理されていて聴きやすく、個人的には、もう少し【毒々しさ】が増しても良いかなぁ、とも感じますが、これからグッと出てくるバンドかも知れません。 普段のライブには、時間的な条件が合わずに中々伺えないのですが、今後も注目していきたいと思います。 因みに、近いところでは、5月9日(木)に吉祥寺【スターパインズカフェ】、5月22日(水)に新宿【マローネ】、6月20日(木)に大塚【ウェルカムバック】でライブがあるそうです。
さあ、【歌姫楽団】のライブ終了と同時に、JRの線路を挟んだ駅の反対側、北口駅前の特設ステージにダッシュで移動開始。 本当に気持ちが良い天気で、思わず小走りになってしまいます。 北口の特設ステージに到着すると、丁度、【永井ルイ】さんのバンドがセットアップ中。 この日は、ルイさん(vo/g)に加え、ベース&ドラムというトリオ編成での演奏です。 【永井ルイ】さんは、自己のプロジェクトでの活動のほか、ソングライター、アレンジャーとして、【モー娘。】関係のCDやアニメソングの制作にも携わっています。 バス・ターミナルになっている駅前ロータリーの広場に特設された、高さ1メートル強のステージに、【フェンダー・ムスタング】と思しきギターを抱えて登場のルイさん、う〜ん、カッコよさが滲み出てます。 演奏は、3曲程で短いものでしたが、どれも耳に親しみ易いメロディを持ったご機嫌なポップ・ロック。 スタジオ制作の仕事が多いイメージがあるルイさんは、あまりライブ活動をされていない感じがしますが、この日の演奏は、気持ちの良いコーラスや、トリオでの細かなキメなど、毎晩ライブ演奏をしているワーキング・バンドのようで、このあたりの見事なパフォーマンスは、さすがの貫禄といった所です。 【フェンダー・ムスタング】を掻き毟りながら、サッカーのバックトスみたいに、左足を時々パッと上げたりする格好にも、70年代の上質なブリティッシュ・ロックのエッセンスが詰まっている感じがしました。 『なんだか呼ばれちゃったんで、取り敢えず出てきました・・・』といった感じの涼しい顔をしながら、素晴らしい演奏をしてくれるあたり、嗚呼、こういう人がホントにプロって言うんだな、こういう才能ある人が、日本のポピュラー音楽界の豊かさの真の礎になってんだなぁ。 それに比べ、【つ○く】とか、ああいう輩は、如何にも嘘臭いよなぁ・・・。 ・・・とか、色々と思いを巡らすこと暫し(笑)。 大晦日のライブでは、プロデュースした女性ユニットの盛り立て役のような感じだったので、ルイさんの良さがあまり理解出来なかったのですが、今日の演奏には、やられました。 又、ライブがあったら、是非、行ってみたいものです。
続いては、【マジカル・オレンジ】というバンドが登場。 彼等を目当てに来場したファンも結構居たようなので、そこそこのキャリアがあるバンドのようです。 後々知ったのですが、中心人物の山田貢司さん(g/vo)は、あの【レベッカ】のオリジナル・メンバーだったそうで、デビュー前に脱退してソロ活動を始めた、というミュージシャンのようです。 バンドは、英国人と思しきガイジンさん(g/vo)、ベース、そしてドラムという4人編成。 ここに何故かオレンジの袈裟を着た、金髪のお坊さん(?)が乱入し、いきなり読経。 バンド名からも分かるとおり、サイケデリックなイメージを出すための演出のようです。 第一印象としては、兎に角、演奏が上手い! 特に、山田貢司さんのテクニックは、派手さはありませんが、めちゃくちゃ上手いです。 小柄で長髪の山田さんは、なんとなくマーク・ボランのイメージがあります。 で、全体的なバンド演奏の内容ですが、う〜ん、訴えかけてくる【ナニカ】を感じませんでした。 サイケデリック〜グラム・ロック、のイメージでやりたい、というのは分かるのですが、失礼ながら、この【マジカル・オレンジ】というバンドとして何がやりたいのかが、見えないし、聞こえないのです。 演奏が面白くなかった理由の一つは、前半の2〜3曲、ガイジンさんがリーダーシップをとってリード・ボーカルをとっていた点で、勿論、ネイティブの英語での歌唱やラップ調の部分など良いのですが、オリジナリティが無いというか、だったら【クーラシェイカー】のCDを聴いているほうが良いかなぁ、と思ってしまったり(笑)。 一言で言えば、【上手いけど、面白くない】わけです。
ちょっと話しが逸れるかも知れませんが、僕は最近、音楽の素晴らしさは、【上手/下手】ではなく、結局、その音楽で演者が言いたいことが【語れているか/いないか】で決まると思っているのです。 別の言い方をすれば、音楽の中に【その人で無ければならない】という部分が如何に表れているか、が勝負だと思います。 【マジカル・オレンジ】の前半の演奏は、僕の耳には、他の英国本国のバンドでもリプレース出来るモノに聞こえてしまいました。 つまり、そのガイジンさんが、わざわざ日本にやってきて、日本のミュージシャンとバンドを結成して演奏している、という【必然性】のようなものが見えないのです。 直前に聴いた【永井ルイ】さんの演奏は、同様にブリティッシュ・ロックに大きく影響されていますが、僕は、その演奏に『ポール・マッカートニーが、2002年、今現在の日本人だったら、こういう音楽をやっているだろう』というものを感じました。 これは【永井ルイ】さんがポールの真似をしている、ということではなくて、ポールに影響された現代の日本人ミュージシャンとしてのアイデンティティが音楽に表れている、ということです。
【マジカル・オレンジ】のライブは、後半、山田さんのボーカルをフィーチャーした演奏になり、これには素直に乗れました。 僕は別に【右○】でもなんでもないですが(笑)、やはり、日本でやっている、日本人の音楽なんですから、そこに【日本人の日本人による日本人の為の音楽】を感じさせて欲しいのです! 折角、日英の才能あるミュージシャンがバンドを組んでいるのですから、そういう利点をもっともっと活かして欲しいものです。 後々調べたら、この編成になってまだ日が浅いようなので、バンドとしてのアイデンティティ確立が達成出来ていないのも致し方ないことだったのでしょう。 コアな人気もあるようですし、英国での活動も予定されているとのことなので、今後のブレークに期待したいです。
ここで、ちょっと勝手に休憩と言うか、ズッと同じ場所に居るのもツマラナイので、街を徘徊することにして、暫く、CDショップやら、あちらこちら、ウロツイテくることにしました。 徘徊から、再び駅前ステージに戻ると、お客さんの数も可也増えていて、ステージ上では、上々颱風のメンバーである【紅龍】さんが演奏中でした。 アコギの弾き語りで、アコースティック・ベースの男性とバイオリン/アコーディオンの女性との3人編成です。 途中からだったので、正直、ステージに集中出来ず、それに(失礼ながら)あまりインパクトがある内容でもなかったので、ここではコメントは避けます。
さて、さて、続いては、なんと、なんと、あの【斉藤哲郎】さんが、【ヨシンバ】という若手バンドを引き連れて登場。 【斉藤哲郎】さんと言えば、なんといっても、女優の【宮崎美子】さんが大ブレークした、あのミノルタのCMソング、『いまのキミはピカピカに光って』で、20年前に一瞬だけ(?)一世を風靡した、あの方です。 え? ナウなヤングの諸君には、【宮崎美子のミノルタ】と言っても分からないって?! そりゃあ、イカンなぁ。 で、こういう有り難いページを発見しましたので、御覧になってみてください。 (しかし、志村さんって、20年前から芸風が変わってないねぇ〜、笑)
【斉藤哲郎】さんは、MCでの声は普通なのですが、唄いだすと、なんとも言えない語り口で、ちょっと甘いんだけど、流されずにシッカリとしていて、しかし、堅苦しかったり、押し付けがましいわけでもない、という、日本語フォーク・ミュージックにはピッタリ、理想的な声で、タマラナイ魅力を放っていました。 まさか、『いまのキミは・・・』はやらないだろうなぁ・・・と思っていたら、あっさりと2曲目に唄ってくれて、これにはビックリ。 いやぁ、やっぱり、良いねぇ、ホントに気持ち良い、ピカピカに光っている名曲です。 タマラナイです。 バックを務める【ヨシンバ】のメンバーとのコーラスも素晴らしく、流石にベテランだなぁ、貫禄だな、と思わずには居られません。 最後には、30年の活動歴を誇る人気バンド、【センチメンタル・シティ・ロマンス】に捧げた曲を披露。 すると、そこに【お約束飛び入り】として(?)、【センチメンタル・シティ・ロマンス】のリーダー、告井延隆さんが乱入・・・の筈が、来てない・・・。 え? 来てないの?・・・と残念そうな斉藤さん。 で、演奏を続けていると、ステージ後方のバス通りから怪しげな(?)オヂサンが柵を乗り越えて乱入。 来た、来た、告井さん、やっと登場。 二胡を抱えて、乱入です。 『最初からやりなおします』と曲の頭からリスタートの斉藤さん。 いやはや、これは最高です。
こんなに豪華なライブを無料で体験出来るとは、なんともゴージャス、贅沢この上なし。 さあ、そして、そして、ついに、ついに、登場します、【仙人】、高田渡! 3月のライブの際は、相当なご機嫌状態で・・・要は泥酔状態で(笑)・・・相当にヤバイ感じでしたが、この日は、まだお日様が沈む前の時間帯、ということもあってか、事前のガソリン補給はホドホドだったらしく、一応、一人で歩ける状態(?)。 が、しかし、やっぱり、何処か足元がオボツカナイんだよなぁ(笑)。 ご子息のスライド・ギター奏者、高田漣さん、そしてサポート・ギタリスト氏との3人編成で演奏開始。 ステージ周辺は、高田さんを目当てに集結した観客で大盛況。 勿論、小さな子供連れの家族も多数。 しかし、良い子のチビッコに、高田渡は、かなりキツイというか、トラウマになったら、どうしよう?(笑)
先ず、オープニングは、3月のライブでも冒頭で歌われた『仕事探し』。 良いなぁ・・・、これぞフォーク、ワーク・ソング。 四畳半ではなく、高田さんのフォークは、ホントに【土の臭い(匂い、ではない)】がするよなぁ。 そして、MCは、いつもの通り、落語調。 『吉祥寺なんて、ホントは嫌だけど、何十年も住んでます・・・』と言いつつ、『誰も知らない話しをすると、あのJRの駅は・・・・・、地主が・・・、その銀行の・・・』等々、地元の方が聞いたら、冷や冷やモノの(?)爆弾発言連発の爆笑噺で、観客は大喝采。 さあ、2曲目は、な、な、な、な〜んと、まさか、ここで聞けるとは思いませんでした! 放送禁止(自主規制)に見事に認定されている名曲中の名曲(?)『スキンシップ・ブルース』をやるって!? 場内の一部の、その筋の客・・・勿論、僕も含まれる(笑)・・・は、曲のタイトルだけで大喜びの大盛り上がり! いやはや、チビッコ多数の客席に向って、『シーツも汚さぬ、岡○理○ゴ○・・・♪』って、そんなんあり??? イエイ、イエイ、も〜っ、最高、絶頂、脱腸の放屁、放尿、ホーホケキョ!
ここからは、高田渡ベスト・ヒット曲集のような選曲。 高田さんが【ヒルトップ・ストリングス・バンド】と入れた『ウィスキーの唄』の作者でもある朝比奈逸人が書いた『トンネルの唄』。 僕が敬愛する詩人・黒田三郎の詩をベースにした『夕暮れ』(“自分の場所からはみ出してしまった・・・”という表現がタマラナイ・・・)。 そして、最後は、勿論、沖縄の詩人・山之口獏の『生活の柄』。 途中、ガソリン補給の缶ビールをこぼしたり、痰がからんだりと、相変わらずのヤバさ満載の高田渡さん・・・そこが、なんとも抗し難い魅力なんですよねぇ(笑)。 観客の熱狂もボルテージ最高潮。
ということで、高田渡に精魂吸い取られた感じの中、続いて、駅前ステージのトリとして登場の【ブラック・ボトム・ブラス・バンド】(BBBB)。 以前から若いリスナーに圧倒的人気を誇るブラス・バンドとして名前は知っていたのですが、実際の演奏を聴くのは全くの初めて。 メンバーは皆、20歳代半ばくらいの若いお兄ちゃん達で・・・もしかすると、結構、歳イッテるのかも?・・・編成は、スネア・ドラム1名、バス・ドラム1名、チューバ1名のリズム隊3名に、フロントは、リーダー格と思しきリー・モーガンみたいなトランペッター、TOKIOの山口みたいなテナー、武田真二ソックリのアルト&バリトン、そして、【キャイーン】のウド鈴木じゃない方にクリソツなトロンボーンという7名編成。 演奏は、ニューオリンズ・スタイルのトラディショナル・ジャズに、何処と無くアフロ・キューバンやブラジリアンの感じも取り込んで、兎に角、楽しくてカッコ良いステージ。 MCのイントネーションから、どうやら関西出身のバンドのようですが、この突き抜け方は、やっぱりカンサイかぁ、と思わせるものがあります。 悪い意味で格好付けたがる若手ジャズメンが少なくない昨今、BBBBの、こういう潔いエンターテインメント性は、お見事! 若いファンにコアな人気を誇るのも肯けます。 毎日、毎晩聞いていると多分、飽きるというか、オヂサンには疲れてしまう音楽に感じられますが(笑)、ライブの楽しさ、面白さは絶品だと思うので、CDよりはライブが一層楽しめそうです。
んまぁ〜、兎にも角にも、こんなにも充実したライブを、無料で惜しげもなくバンバンやっちゃう、吉祥寺って街、今更ながら、やっぱり、良い街です。 運営は大変でしょうが、来年の音楽祭も楽しみにしてます。