日時・会場 出演者
7月13日(土)
吉祥寺・SOMETIME
チコ本田(vo)
元岡一英(pf)、杉本智和(b)
本田珠也(ds)


『LIVE』
チコ本田(学研プラッツ)


この日は休日出勤で、軽くオフィスで仕事をやっつけてから、吉祥寺SOMETIMEで、凄く久しぶりのチコ本田さんのライブ。 チコさんには個人的に凄く思い入れがあって、何故なら僕が初めて行った日本のジャズメンのライブは、チコさんと実弟の渡辺文男さん(ds)の共演だったからです。  その時、僕はまだまだジャズ初心者であったこともあって、正直言って、チコさんの歌唱には、色々な意味でビックリしました(笑)。  その後、何年も経ってから、CD 『LIVE』を買い求めて聴いたところ、その素晴らしさにブットンダ、ブットンダ!  ライナー・ノーツで天才アケタ氏が・・・『そして歌というものは人間の一番“素”であるわけで、アドリブとジャズの為に生まれてきた血がそのまま体現され、チコさんはビリー・ホリデー以来というべき、ほんと鏡のような純粋に綺麗な心の唄なのだ・・』と的確に評されている通り、チコさんの唄には、虚飾や隠し事が皆無、【正直】そのものの唄が体感出来るのです。  ここがチコさんに対する評価の分かれ目かも知れませんが、普通、プロ歌手ならば、上手く歌おうとか、XXみたいなイメージで・・・ということがあるのでしょうが、チコさんの唄には、そういう【作為】が全く感じられず、チコさんの【裸の歌心】がスッポンポン状態で、一音一音に込められているように思います。  聴く者は、そこに【共感と感動】を覚えるのです。  ワケもなく、『チコさん、今夜もアリガトウ』と言いたくなってしまいます。

さて、この日のライブの共演は、燻し銀に光り輝く(笑)ベテラン・ピアニスト、元岡さんを中心に、チコさんの愛息、珠也さん(ds)、そして、杉本さん(b)という日本を代表する光り輝くビジュアル系リズム隊。 【本田珠也/杉本智和】のリズム隊は、菊地プーさんのトリオ、ケイ赤城さんのトリオ、各々のレギュラーでもあり、今や【21世紀の日本のジャズを代表する、ザ・リズム・セクション】と言って過言ではないと思います。  伝統的な演奏スタイルを踏襲しつつ、そこに4ビートとは何か一線を画す、立体的な広がりを展開してくれます。  元岡さんも、モンクのオリジナル曲や古い歌モノを中心に、主メロディの周囲に濃ゆいフレーズをザクザクと混ぜながら、チコさん登場までのトリオ演奏をリード。  実にカッコイイ!

当夜のチコさんは、『ボディ&ソウル』といったジャズ・スタンダードのほか、『スーパースター』、『ユー・アー・ソー・ビューティフル』等、ポピュラー曲も交えて聴かせてくれます。 久々にシゲシゲとチコさんの表情を見たのですが、やっぱり、兄上の(渡辺)貞夫さんに似てますねえ(笑)。  しかし、2−3年前に拝見した時に比べて、より若くなっているようなので、凄い。 息子の珠也さんが僕と同い年ですから、多分、我が老母(笑)と同い年くらい? なのに、ステージ衣装も可也セクシーで、ちょっと視線の行き場に困っちゃうなあ(爆)。  ライブ盤でも唄っていたシャッフル・ブルース、『Fine Brown Frame』では、天井を突き抜けてスットンデ行きそうな弾け方でチコさん大爆発!  いやはや、観客席のこちらもツイツイ、腰が浮いてきて、スイング&グルーブ!  久々に、パンツを脱いでスッ裸になりたいほどに大興奮(笑)。 こんなにカッチョ良い音楽は、そんじょそこらにはありません。  

そして、なんと言ってもドラムは鼓動。 チコさんの鼓動をトツキトウカ聴いて生まれてきた珠也氏のドラミングは、チコさんの一番の理解者ですな。  激しく突き上げるようなドラムがチコさんの歌唱に火を点け、そして、同時に優しく包み込む。  同じ年代の母を持つ、同じ年代の息子として、珠也さんには頭が下がります。  僕も、こういう息子でありたいものです、ハイ(涙)。

ということで、やはり、チコさんは凄かった。  正に【ONE&ONLY】、本田・渡辺ご両家で、ニッポンのジャズは安泰だ!?  又、聴きに行きたいと思います。 『チコさん、今夜もアリガトウ』